「No!と言わないサポート」のキャッチフレーズでおなじみの「WADAX」は、値段に比して、高品質で安定したサービスを提供しています。
現在はブランド名はそのままで、運営元は GMOクラウド株式会社 になっていますが、元は1998年に個人事業として創業者の和田大氏が設立した、レンタルサーバーの老舗の一つです。「ワダックス」の名前の由来は、創業者の名前なんでしょう。
また、セコムとの連携などでセキュリティにも非常に力をいれていることでも有名です。
当サイトでは、最安の「TypeB(ブロンズ)」(独自ドメイン・データベース1個まで)プランではなく、その1つ上位の「TypeS(シルバー)」プランについてレビューしています。
WADAX「TypeS(シルバー)」のその魅力を、レンタルサーバー選びの7つのポイントに照らし合わせて紹介します。
7つのポイントをチェック!「ワダックス「TypeS(シルバー)」」のレビュー
1.安定性
WADAX の共用サーバーは、転送量が無制限。画像を大量に張ったサイトやアクセス数が多いブログでも安心して利用できます。
データセンターは大手通信会社のソフトバンクのデータセンター内に設置しており、65Gbpsの大量バックボーン回線を使用。WADAX の社員が常駐して監視していますので、トラブル発生時の対処も迅速に行えます。
障害情報も公式サイトで確認できますし、10年近く前の障害情報もそのまま公開しています。障害情報というのは、できるだけ公表したくないものだと思いますので、企業としての誠実さがうかがえますね。
SLA はなく、同時アクセス制限の上限も特にないとのことですが、他のユーザーに影響がある場合は制限される可能性があります。
なお、稼働率や収容人数については、非公開ということでした。
2.サイトの表示速度
サーバーのスペックですが、CPU とメモリのスペックは非公開とのこと。
HDD は、SSD+HDD のハイブリッドストレージを採用しており、SSD は主にデータベースやメールなどアクセス頻度が高く、高速処理が必要な機能に対して、自動的に切り替えを行っているようです。
PHP は一般的な共用サーバーで利用されている「CGIモード」です。
また、サーバーの回線速度も非公開とのことでした。
なお、2017年10月2日から、最新の通信プロトコル(規格)である、HTTP/2 に対応しました。HTTP/2 は、複数のデータのやりとりを同時並行で行うことができるため、従来の通信プロトコル(HTTP/1.1)と比較してパフォーマンスの向上が見込めます。
3.バックアップ
ユーザー用のバックアップは月額540円のオプションで、サーバーのディスク容量に応じて世代管理が可能です。
バックアップ可能なデータは、Webサイトのデータ、および WordPress などで利用する MySQL データベースが対象です。(メールは対象外)
4.セキュリティ
IPS(不正防止システム)はセコムのシステムを標準装備しており、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)もオプションで利用可能です。
その他、国外IPアドレス制限機能はないようですが、Web改ざん検知サービスと DDoS対策も用意されています。
FTPに関しては、FTPS(FTP over SSL)のみで、SFTP(SSH File Transfer Protocol)は利用できないようです。
メールのセキュリティ機能に関しては、ウイルスチェック・スパムフィルターがともに無料です。
5.サポート体制
サポート体制は、携帯からもOKのフリーダイヤルの電話サポートとメール・問い合わせフォームが利用できます。
また、営業時間も365日営業で、電話サポートは平日夜10時まで対応で、日中忙しい人も安心して利用できますね。メールサポートも基本的には当日内に返信がもらえるような運用になっているようです。(遅い時間に問い合わせた場合は違うかもしれません)
サポートの質については、問い合わせた窓口の問題だったかもしれませんが、それほどスキルが高い感じではありませんでした。(テクニカル系の担当者ではなかったからかもしれません)ただ、とても礼儀は正しく、丁寧な対応ではありました。
サポートマニュアルに関しては、スクリーンショットも多く、見やすい作りになっています。また、FAQも丁寧に書かれていて、読みやすいですね。
6.プラン変更
共用サーバー間のプラン変更に関しては、上位プランへの移行は利用期間中でもOK、下位プランへの移行は契約更新時のみ可能で、差額と初期費用は発生します。
また、基本的にはデータの移動は不要ですが、収容サーバーは変わらないので、まれに利用しているサーバーに空き容量がない場合は、サーバーを移動してもらうことがあるそうです。
7.料金関係
オプション料金が必要な主なサービスとしては、WAF・バックアップが挙げられます。
また、独自ドメインのサブドメインを別ページで表示する場合には、別途設定料が必要になるので注意が必要です。
試用期間は14日間で、このレベルのレンタルサーバーでは非常に珍しく、領収書も無料で発行してくれます。
その他、バックアップオプション60日間無料やサーバー乗り換え代行費用半額などのキャンペーンを行っています。
その他仕様に関する注意点
- ディスク容量は50GB・データベース作成数は10個までと少なめ
- データベース名を自由に設定できない
- 日本語ドメインはpunyコードで登録する必要あり
- 独自ドメインのサブドメインを別ページで表示する場合には、別途設定料が必要
7つのポイントまとめ
WADAX「TypeS」について、以上でチェックしたポイントをまとめます。
- 転送量は無制限で、ソフトバンクのデータセンターに社員が常駐して監視
- サーバーのスペックは不明点が多い
- バックアップには月額料金が必要
- セキュリティには力を入れており、セコムのIPSや Web 改ざん検知サービスと DDoS 対策もバッチリ
- サポートは365日営業。夜も平日は22時まで対応
- プラン変更も比較的柔軟でデータの移動も不要
- バックアップオプション60日間無料やサーバー乗り換え代行費用半額などのキャンペーンあり
WADAX「TypeS」の総評
自社社員が常駐するソフトバンクのデータセンターの利用、老舗の安心感、転送量無制限などの良さがありますが、一方稼働率やサーバーのスペックなどが不明のため、実際のパフォーマンス面に関してはやや不透明なところがあります。
サポートに関しては、電話でのサポート時間も長く、一生懸命な感じで対応はしてくれるので、この点は評価していいと思います。
ただ、マルチドメイン数やデータベースの数も割と限定されていますので、少数精鋭のサイトを安定運用させるようなイメージで使用するのに向いているといえるでしょう。
多数のサイトを運営するのであれば、マルチドメイン数無制限のエックスサーバーの利用をおすすめします。