YouTubeやTikTokの普及により、動画を見る機会が増加しており、それに伴い動画編集への需要も高まっています。
以前は動画編集にパソコンが必要でしたが、現在はiPadやiPhoneのようなタブレットやスマートフォンでも手軽に編集できるようになっています。
この記事では、iPadを使用した動画編集のメリットとデメリットを解説し、動画編集に適した5つのアプリを紹介します。
iPad一台で動画編集が可能ですので、動画編集に興味がある方は、ぜひこの情報を参考にしてみてください。
iPadで動画編集をするメリット
iPadの性能は年々上がってきているため、動画編集ができる環境も整ってきています。また、iPadの動画編集アプリの増加に伴い、タブレットで動画編集する機会も増えてきています。
ここでは、iPadで動画編集をするメリットは2つ紹介します。
- 直感的な操作画面
- 持ち運びしやすい
直感的な操作画面
iPadでの動画編集は、パソコンと違って直感的な操作画面で行えます。パソコン版とiPad版の動画編集アプリを比較してみると、それぞれ操作画面の違いがわかります。
まずは、パソコン版のPremiere Proの画面を見てみましょう。
パソコン版のPremiere Proは、編集の画面が複数ありどの画面がどういう機能になっているのか、初心者の方ではわからないかもしれません。
つづいて、iPad版のPremiere Rushの操作画面を見てみましょう。
iPad版のPremiere Rushは、編集中の動画画面と編集タイムラインのみ表示されます。しかも、すべて画面上でタッチやスクロールの操作だけで動画編集が可能です。
パソコンとiPadの動画編集ソフトを比べてみると、やはりiPadの動画編集アプリの方が機能もシンプルになっており迷わずに操作できるでしょう。
持ち運びしやすい
iPadを使った動画編集は、その持ち運びやすさから、場所を選ばず動画を作成できるのがメリットと言えます。
パソコンと異なり、軽量でコンパクトなiPadは、重い荷物になることなく、どこへでも持ち運ぶことが可能です。鞄に入れて気軽に持ち運べるので、自宅やオフィスだけでなくカフェのテーブルでも快適に動画編集ができます。
また、iPadは開くだけですぐに作業を開始できるため、外出中の急な編集作業も対応可能です。
iPadで動画編集をするデメリット
つぎには、iPadで動画編集をするデメリットを2つ紹介します。
- プロ並みの動画編集は不可能
- アプリの数が少ない
プロ並みの動画編集は不可能
iPadで動画編集をすることはできますが、プロ並みの動画編集をすることは不可能です。なぜなら、iPadとパソコンでは動画編集に必要なハードウェアのスペックが違うからです。
例えば、iPadに搭載されているCPUの性能は大体メモリが4GBに対して、動画編集するレベルのパソコンは8GB以上のスペックがあります。また、パソコンでプロ並みの動画を編集しようと思ったら、最低でも16GB以上のメモリは必要になります。
スペックの問題やプロ並みの動画作成できる編集ソフトがないことを考えると、iPadでプロ並みの動画編集は難しいと言えるでしょう。
ただし、ハードウェアに限った話で言えば最新のiPadはM2チップを搭載しておりかなり快適に動画編集が可能です。
アプリの数が少ない
iPadに対応している動画編集アプリは、パソコンのソフトと比べると少ないです。
特に高機能で利用者の多い動画編集ツールについては、ほとんどパソコンにしか対応しておりません。iPadで使えるアプリはフルスペックではなく、ある程度機能を落とした形のアプリになります。
また、実際にレベルの高い動画をiPadで作成しようとすると、できるアプリが限られます。実際動画編集アプリはたくさんありますが、今回紹介するアプリ以外ではなかなかレベルの高い動画を作成するのは難しいでしょう。
iPad用動画編集アプリの選び方
続いて、iPadで動画編集をするアプリの選び方について3つ紹介します。
- ウォーターマーク(ロゴ)の有無
- 有料か無料か
- 素材やフォントの豊富さ
ウォーターマーク(ロゴ)の有無
iPadで動画編集アプリを利用しようと思った時に、ウォーターマーク(ロゴ)が入るかどうかを確認しておく必要があります。
ウォーターマーク(ロゴ)とは、動画編集アプリで作成した動画を書き出すときに、動画の隅に動画編集アプリの名前やメーカー名がマークとして薄く表示されているものです。
動画を作成した時に、ウォーターマークが入っていると動画の見栄えも悪くなりますし、動画自体がみえにくくなります。
ただし、ウォーターマークはアプリを有料版にした場合に消えるため、気になる方は有料版に登録することをおすすめします。
有料か無料か
iPadの動画編集アプリを選ぶ際に、有料か無料かどちらを選ぶかも重要です。
iPadで使える動画編集アプリには無料版が多いですが、有料版でもパソコンのソフトの料金と比較すると安い場合が多いです。
また、有料版のアプリの中には「Luma Fusion」や「iPad用Final Cut Pro」などパソコンの有料版に近い編集ができるアプリがあるので、一度有料版を買って試してみる価値があるでしょう。
素材やフォントの豊富さ
動画編集アプリを選ぶ時に、素材やフォントが豊富にあるのか確認しておきましょう。
iPadで動画編集する際に、フォントを自由にパソコン版のPremiere Proするのが難しいため素材種類が多いアプリを選ぶと良いでしょう。
また、Adobe製品でサブスク契約した場合、「Adobe Stock」という素材サイトを利用できるのでおすすめです。3億点以上の素材が使えますし、さまざまな種類のフォントも使うことができます。
【有料・無料】iPad向け動画編集アプリ
ここでは、iPad向けの動画編集アプリを5つ紹介していきます。
- Adobe Premiere Rush(プレミアラッシュ)
- Luma Fusion
- iPad用Final Cut Pro
- iMovie
- VLLO
Adobe Premiere Rush
名称 | Premiere Rush |
料金 | Premiere Rushスターター:無料 Adobe Express:1,078/月 (税込) |
体験版 | 基本機能は無料 詳細はこちら |
対応OS | Windows/Mac(M1チップ搭載のMacを含む)/iOS/Android |
動作環境 | Windows 10(64 ビット)以降 macOS v10.15(Catalina)以降 iOS 13 以降 Android 9.0 以降 |
主な機能 | Premiere Proよりも気軽に編集できる パソコンとスマホの両方で共有して編集作業が可能 |
公式HP | 公式HP |
Adobe Premiere Rush(プレミアラッシュ)は、スマートフォンやパソコン、タブレットなどのさまざまな端末で利用できる動画編集アプリです。
パソコンとスマートフォンの両方で共有して編集作業ができます。直感的に編集できる操作性から、動画編集の初心者にも人気があるアプリです。
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Luma Fusion
名称 | LumaFusion |
料金 | 4,500円(税込)※App内課金あり |
体験版 | なし |
対応OS | MacOS/iOS |
動作環境 | macOS 12.3以降とApple M1チップを搭載したMacが必要です。 iOS 15.4以降が必要です。 |
主な機能 | iPadのみで編集できる動画編集ソフト 買い切りアプリなので割安 |
公式HP | 公式HP |
LumaFusionは、MacOSまたはiOSでのみ利用できる動画編集アプリです。PCソフトに負けないくらいプロ仕様の動画編集が可能で、iPad一台あればYouTubeへ動画を上げることもできます。
また、最近ではサブスクタイプの動画編集アプリが増えてきている中、LumaFusionはアプリを一旦購入してしまえば追加料金が発生することがありません。ランニングコストがかからないアプリを探しているならLumaFusionがおすすめです。
iPad用Final Cut Pro
名称 | iPad用Final Cut Pro |
価格 | 700円(税込)/月 7,000円(税込)/年間 |
体験版 | ◯ ※30日間無料体験可能 詳細はこちら |
対応OS | iPadOSのみ |
動作環境 | iPadOS 16.4以降を搭載した 12.9インチiPad Pro(第5世代または第6世代) 11インチiPad Pro(第3世代または第4世代) iPad Air(第5世代)。 |
主な機能 | プロ仕様のビデオスタジオを簡単に利用できる ホワイトバランス、ビデオの手ぶれ補正、複数のフレームレート、スローモーションなどの機能が利用可能 |
公式HP | 公式HP |
iPad用Final Cut Proは、iPadOSのみ対応している動画編集アプリです。iPadのために一から設計されたインターフェイスは、タッチ操作で動画編集しやすい作りになっています。
また、Apple Pencilを使うとより正確でスピーディーに動画編集を行うことが可能です。iPadひとつあれば撮影から動画編集まで一括して行うことができ、よりレベルの高い動画を作成可能です。
iMovie
ソフト名 | iMovie |
価格 | 無料 |
対応OS | Mac |
動作環境 | macOS 10.15.6以降 |
主な機能 | 基本的な機能からエフェクト、トランジション、アニメーションなどの機能が搭載 4K動画の編集も可能 |
公式HP | 公式HP |
iMovieは、Apple製品のMac・iPhone・iPad対応の動画編集アプリです。基本的な動画編集機能は備えており、4K動画も編集可能です。無料で利用できるので、上手く使えばクオリティの高い動画をスマホで作ることが可能になります。
また、操作性が簡単で難しい知識やスキルを必要としない点がiMovieの魅力です。動画編集アプリをいじったことがある方であれば、問題なく操作することができるでしょう。
VLLO
名称 | VLLO(ブロ) |
価格 | 月額プラン450円 年額プラン880円 無制限プラン2,820円 |
体験版 | 〇 ※一部機能に制限がある |
対応OS | iOS/Android |
主な機能 | カット テロップの挿入 トランジションの追加 |
公式HP | 公式HP |
VLLOは韓国のアプリ開発会社Darinsoftによって開発・運営されている動画編集アプリです。特に、iPhoneおよびAndroidで利用することができ、パソコン用の編集アプリに引けを取らないクオリティの動画を直観的な操作で作成できます。
基本的に無料で利用できますが、有料版もあります。有料版を利用することで、広告が表示されないようになったり、画面の中にもう一つの画面を表示させる機能である「ピクチャインピクチャ」の機能が利用できるようになります。
動画編集におすすめのiPad
最後に、動画編集ができるおすすめのiPadを2つ紹介します。
- 2022 Apple iPad Air(第5世代)|普段使いもしたい人
- 2022 Apple 11インチiPad Pro|iPadで仕事したい人
2022 Apple iPad Air(第5世代)|普段使いもしたい人
名称 | 2022 Apple iPad Air(第5世代) |
価格 | 64GB:92,800円 256GB:116,800円 |
メモリ | 8GB RAM |
ストレージ | 64GB 256GB |
搭載チップ | Apple M1チップ |
ディスプレイサイズ | 10.9インチ(対角)LEDバックライトMulti-Touchディスプレイ |
バッテリー駆動時間 | 最大10時間 |
カラー | スペースグレイ スターライト ピンク パープル ブルー |
公式HP | 公式HP |
iPad Air(第5世代)は、タブレットを普段使いしたい方におすすめです。Apple M1チップを搭載しているため、動画編集以外にもウェブサイト閲覧や文書作成などにも利用できます。
また、画像編集や3Dオブジェクトの作成などiPadに負荷のかかる作業も問題なく動作が可能です。iPad Air(第5世代)は、iPadの中でもオールラウンドに利用できるタブレット端末といえます。
2022 Apple 11インチiPad Pro|iPadで仕事したい人
名称 | 2022 Apple 11インチiPad Pro |
価格 | 128GB:124,800円 256GB:140,800円 512GB:172,800円 1TB:236,800円 2TB:300,800円 |
メモリ | 8GB RAM:128GB、256GB、512GBストレージ搭載モデル 16GB RAM:1TBまたは2TBストレージ搭載モデル |
ストレージ | 128GB 256GB 512GB 1TB 2TB |
搭載チップ | Apple M2チップ |
ディスプレイサイズ | 11インチ(対角)LEDバックライトMulti-Touchディスプレイ |
バッテリー駆動時間 | 最大10時間 |
カラー | シルバー スペースグレイ |
公式HP | 公式HP |
11インチiPad Proは、iPadで仕事したい人に向いているタブレットです。
特にApple M2チップを搭載しており、動画編集から画像編集までさまざまなクリエイティブな作業をより高速に行えます。
また、11インチiPad ProではProResビデオ撮影も可能で、映画館レベルのサウンドを録音して動画を作成可能です。画面もLiquid Retinaディスプレイなのでより綺麗で繊細に動画を確認できます。
iPadで動画編集ができるおすすめアプリ5選まとめ
この記事では、iPadを使用した動画編集のメリットとデメリット、選び方、おすすめアプリ5選について紹介してきました。
iPadで本格的な動画編集を目指す場合、機能性、スペック、アプリの使い勝手を総合的に考慮し、有料アプリの利用が推奨されます。
特に、Adobe Premiere Proをパソコンで使用している方には、互換性のあるPremiere Rushをおすすめします。また、iPad向けのFinal Cut Proを使用すれば、iPadの機能を最大限に活用した動画編集が可能です。
ただし、iPad Air(第5世代)や11インチiPad Proなどの高スペックモデルでの編集が望ましいです。スペックが低いモデルでは、動画編集が困難、または不可能になることがあります。
高性能なiPadと有料動画編集アプリを使って、高品質な動画制作に取り組みましょう。