レンタルサーバーの中には、新規で契約すると独自ドメインを無料でもらえるサービスを提供している会社がいくつかあります。
ただ、一口に「独自ドメインが無料」と言っても、そのサービスの詳細にはかなりの違いがあります。また、無料だからと言って安心していたら、ユーザーの使い方によっては、後々面倒なことになりかねないケースもあります。
今回は、当サイトで紹介しているレンタルサーバーで提供されている、独自ドメイン無料サービスを詳細までじっくり比較してみたいと思います。
なお、各社のサービスについては、2016年1~7月の間に実施されているキャンペーン情報などをもとにまとめています。キャンペーンの内容などについては随時変更になっていますので、詳細については各公式サイトをご参照ください。
独自ドメインを無料で提供しているレンタルサーバー
当サイトで紹介しているレンタルサーバーの中でも、サービスの一環として独自ドメインを無料で提供してくれるレンタルサーバー会社がいくつかあります。
2016年の初めから今の7月あたりにかけて、この独自ドメイン無料のサービスを提供していた会社を以下に挙げてみます。
- エックスサーバー
- カゴヤ
- ABLENET
- お名前.comレンタルサーバー
- WebARENA
- Bizメール&ウェブエコノミー
該当するのは以上の 6社です。
ただ、ABLENET に関しては、過去に長期間に渡り、この独自ドメイン無料サービスを提供していたのですが、残念ながら今年に入ってからこのサービスを終了してしまいました。
そのため、残りの 5社についてその詳細を比較してみたいと思います。
レンタルサーバー各社の独自ドメイン無料サービス比較一覧
まずは、各サービスの内容を簡単に一覧表にまとめてみます。
提供期間 | 料金 | 更新 | ドメインの種類 | ドメイン管理元 | Whois情報公開代行 | |
---|---|---|---|---|---|---|
エックスサーバー | キャンペーン・長期間(上位プランは常時) | 完全無料 | サーバー継続利用で更新料不要 | .com/.net/.org/.biz/.info | エックスサーバー | ○ |
カゴヤ | 常時 | 完全無料 | 初年度のみ無料 | gTLD/JP | カゴヤ | × |
お名前.com | 常時 | 完全無料 | 初年度のみ無料 | gTLD/JP | お名前.comレンタルサーバー | × |
WebARENA | キャンペーン・短期間 | 実質無料(キャッシュバック) | 初年度分無料 | gTLD/JP | 名づけてねっと | × |
Bizメール&エコノミー | 常時 | 完全無料 | 初年度のみ無料 | gTLD/JP | Bizメール&ウェブエコノミー | × |
基本的な内容は上にまとめてありますが、補足的に細かい情報を各社ごとに挙げていきたいと思います。
エックスサーバーの無料独自ドメイン
エックスサーバー「X10」プランでの独自ドメイン無料サービスは、キャンペーンにより提供されています。キャンペーンとはいえ、毎年割と長期間実施されていることが多いので、チャンスはかなりあります。また、上位プランの「X20」「X30」の場合は、常時独自ドメインは無料です。
エックスサーバーの独自ドメイン無料サービスの大きなメリットは、サーバーの契約をしている限り、ずっと独自ドメインの更新料も無料になることです。
現在の独自ドメインの更新料の安値が 1,200円前後と考えると、エックスサーバーの料金が 1か月割引されることと同義ですね。他のサーバーの項にも書いていますが、レンタルサーバーで契約したドメインの更新料は高いことが多いので、もっと価値は高いといえるかもしれません。
実は ABLENET でもキャンペーンを実施していた時は更新料が無料だったのですが、現在は行っていないため更新料が無料なのはエックスサーバーのみになります。ドメインの更新を忘れて失効してしまう心配もありませんので、これも大きなポイントだと言えます。
また、エックスサーバーの場合は、「Whois 情報公開代行」も行ってくれます。
独自ドメイン所有者は、ドメイン所有者の名前や住所、メールアドレスなどを全世界に明らかにする義務があるのですが、Whois 情報公開代行はそれを肩代わりしてくれるサービスです。名前やメアドはいいとしても、企業ではない限り、住所まで公開したい人はほぼ皆無でしょうから、このサービスは必須です。
ところが、上の表のとおり、他社では Whois 情報公開代行を行っていないため、これもエックスサーバーのみの大きなメリットと言えます。
一方、デメリットとしては、取得できるドメインの種類が「.com/.net/.org/.biz/.info」のみに限られていることですね。
なお、ドメインの管理自体はエックスサーバーで行います。エックスサーバーには、別に「エックスドメイン」という独自ドメイン取得を行っているサービスもありますが、そちらではなくエックスサーバーのサーバー契約と同じ画面で管理ができますので、便利です。
カゴヤの無料独自ドメイン
カゴヤの場合は、初年度のみ無料ですが、汎用JPなどのドメインの取得も可能です。また、常時実施しているのもありがたいですね。
ただ、Whois 情報公開代行を行っていないことや、次年度からの更新料が 5,400円~とかなり高額なのは痛いですね。初年度無料で取得し、数か月後に安いドメイン取得業者に移管するのがいいかもしれません。
お名前.comレンタルサーバーの無料独自ドメイン
お名前.comレンタルサーバーもカゴヤと同様のサービスで、初年度無料、汎用JPなどのドメイン取得が可能です。ほぼ常時行っているというところもポイントです。
ただ、お名前.com といえば、独自ドメイン取得サービスで有名ですが、ここで取得したドメインはお名前.comレンタルサーバー側での管理になります。
そして、お名前.comレンタルサーバーでは、Whois 情報公開代行は行っていません。もし、Whois 情報公開代行を希望する場合、お名前.com 側への移行手続きが必要です。また、
また、他社へ移管する場合も、お名前.comレンタルサーバーから直接移管は行えないため、一旦お名前.com へ移行する必要があります。その手続きの際も、コントロールパネルなどから簡単に行えるわけではなく、サポートセンターに連絡をして手続きを行ってもらう手間も発生します。
以上のように、あまりにも諸手続きが煩雑なため、私がお名前.comレンタルサーバーで取得した独自ドメインは、捨てることにしました。今は独自ドメインの新規取得は非常に安いため、様々な手間を考えると、ドメイン取得業者で新規取得したほうがずっと安上がりだと思います。
WebARENA の無料独自ドメイン
WebARENA の場合、これまでの各社と異なり、この春に独自ドメインが実質無料になるキャンペーンを実施していました。
レンタルサーバーと独自ドメインを取得後、アンケートに答えるとキャッシュバックがもらえるという形です。サーバーの代金も 3か月分無料になることから、かなり大きな割引でしたが、一旦支払い自体はしなければなりません。
独自ドメインの管理は、WebARENA ではなく、同じ NTT PC コミュニケーションズが運営している「名づけてねっと」での取得になります。
こちらも、残念ながら Whois 情報公開代行は行っていません。次年度の更新料も gTLD ドメインで 3,600円~と高価です。
Bizメール&ウェブエコノミーの無料独自ドメイン
最後の Bizメール&ウェブエコノミーですが、こちらもカゴヤやお名前.comレンタルサーバーと同じ形式で、初年度のみ無料になる形です。常時無料のところはメリットです。
汎用JPドメインも取得できますが、Whois 情報公開代行は行っていません。また、次年度以降の更新料も gTLD ドメインで 2,800円~と高めです。
レンタルサーバーの独自ドメイン無料サービス比較
以上、レンタルサーバーの独自ドメイン無料サービスについて、その詳細を比較してみました。
こうして詳細をチェックしてみると、独自ドメインが無料でもらえるといっても、実は Whois 情報公開代行を行っていなかったり、次年度以降の更新料が高くなったりと、いざ実際に利用しようとするとネックになることが様々あることがわかります。
そのような中では、「独自ドメイン無料」の言葉のイメージ通りのサービスを提供している、エックスサーバーにやはり軍配があがります。エックスサーバーは当サイトで紹介しているレンタルサーバーの中でも、月額料金が最も安いサーバーの一つです。安い上に、こういったサービスもいいエックスサーバーは、やはり最もおすすめできるサーバーと言えるでしょう。