NTT ブランドが安心を約束する「WebARENA SuiteX」。低価格でありながらも、大容量のディスクスペースと無制限の転送量が魅力のレンタルサーバーです。
WebARENA を運営する NTT PC Communications は、NTT 系列でも最大手の NTT コミュニケーションズの子会社。1985年創業で、インターネットプロバイダー「InfoSphere」を運営していた会社と聞くと、思い当たる人もいるかもしれません。
1999年から共用サーバーである WebARENA シリーズの提供を開始していますので、もう20年近い実績がありますし、自社でデータセンターを運営していることも高い信頼につながっています。
「WebARENA SuiteX」は、どちらかというと法人向けとして提供されているサービスではありますが、その価格の安さから個人利用にも十分おすすめできるレンタルサーバーです。
その WebARENA SuiteX スタンダードプランの魅力を、独自に調査した内容をもとに、詳しくレビューします。
WebARENA の特徴とメリット
まず、WebARENA SuiteX スタンダードプラン の主なサービス概要を見てみましょう。
- ディスク容量:300GB
- マルチドメイン:10個
- データベース数:3個
- WordPressなど CMSの簡単インストール機能あり
- 転送量:無制限
以上のように、マルチドメイン数・データベース数などは少な目のため、サイト量産には向いていません。
しかし、ディスク容量は同価格帯の中でも圧倒的に多く、転送量も無制限のうえ、少数精鋭のサイトを安定して運営するにはピッタリです。
では、さらに深く WebARENA の特徴やメリットを見ていきます。
高い信頼性と安定性
ネットビジネスにレンタルサーバーを利用する場合、最も重要なのが、この安定性。
WebARENA が公式に発表している、安定性を示す指標である稼働率は 99.999%以上。
Webサーバーには SLA(サービス品質保証)があり、トラブルで稼働できなかった分は返金が可能です。SLA 対象の障害に関しては、WebARENA 側からしっかり通知が来るので安心です。
また、転送量が無制限なうえ、1サーバーの収容数が50契約と非常に少ない(一般的な共用サーバーの場合、100~200程度)ため、他のユーザーの影響を受けにくく、安定したサイト運営が行えます。
世界的な回線業者の子会社ならではの高速なバックボーンと、自社運営によるデータセンターも信頼性が高いです。
当サイトで行った Webサーバーのモニタリングの結果でも、2年連続で応答率ほぼ 100% を達成していますので、安定性には間違いがありません。
大容量ディスクをオンラインストレージとして利用可能
WebARENA SuiteX は 300GB という、同価格帯で最大のディスク容量を誇っています。
また、サーバーにはあらかじめデータの格納用としての非公開領域が用意されているため、開いたディスク領域をストレージとして利用することが可能です。管理用のアカウントを複数作成することもできるため、不必要なファイルに触れないように設定することができ、他者とのファイルのやり取りも安全に行えます。
ただ、WebDAV(ウェブダブ)機能は用意されているものの、最新の OS には対応していないため、FTP で利用するのがいいでしょう。
安全性が高い(セキュリティ/バックアップ)
セキュリティに関しては、IPS(不正侵入防止システム)が用意されているほか、株式会社セキュアブレインが提供する「gredセキュリティサービス」を使用した「Web改ざん検知サービス」を利用できます。(5ページまで無料、オプションで 4,000ページまで対応)
近年、世界的規模での WordPress のハッキング事件が発生するなど、Webサイトのセキュリティ対策が非常に重要になってきていますが、このようなケースにもいち早く対応できます。
データのバックアップについても、1世代が容量無制限で無料、オプションで7世代までバックアップ可能です。バックアップするデータも、Web・データベース・メール のすべてのデータが対象です。メールのデータをバックアップしてくれるレンタルサーバーは多くはないので、貴重ですね。
サポートのレベルも高め
サポート窓口のオペレーターのスキルは高いです。少し込み入った技術的な内容について問い合わせたことがあるのですが、オペレーター自身が自分自身でしっかり検証して、調査してくれました。
同時期に別のレンタルサーバー会社にも同じ問題を確認したのですが、応対の感じはよかったものの、オペレーター自身はよくわかっていないようで、本人自身で検証もせず、専門部署に回すだけという状況でしたので、スキルの差を感じました。
また、NTT PC Communications が提供しているサービスは、どちらかというと法人向けのサービスではありますので、問い合わせ窓口は月~金のみしか開いていませんが、電話はフリーダイヤルで、携帯からもかけられるため、地方の人でも問い合わせをしやすいでしょう。
なお、メールサポートは、他社と比較すると回答が遅いため、電話サポートを活用することをおススメします。
その他にも多くのメリットあり
- 権限の異なる管理者アカウント(ユーザー)を作成できるため、複数人でも管理しやすい
- 固定IPアドレスが付与される
- 独自ドメインと共用サーバーの同時申込で、初期費用+基本料金1か月分が無料
- サーバー料金数か月分と独自ドメインがキャッシュバックされるキャンペーンもあり
WebARENA の気になる点
機能やスペックなどの技術革新が遅れ気味
共用サーバー専業の会社などと比べると、サーバーのスペックや機能などの増強や変更があまり行われません。
例えば、PHP は高速処理が可能なモジュール版を利用できますが、PHP のバージョンは他社では PHP 7 が主流になりつつあるところ、いまだに PHP 5.3 のみしか利用できません。
また、WebDAV も早くから利用できるようにはなっていましたが、最新の OS には対応してないなど、全体的に新しい技術やサービスを取り入れていく速度が遅いです。
年払いだと安いが、月払いだと高上り
クレジットカードで年払いをする場合、月額料金が約 1,360円(税抜)と安いのですが、月払いにすると、ディスク容量が400GBに増えるものの、月額料金は 3,200円ほどに上がります。
また、請求書払い・口座振替の場合は、どちらの場合も初期費用が発生します。独自ドメインとセットで申し込むと、初期費用が無料になるほか、サーバー料金も1か月分無料になりますので、この特典を利用するといいかもしれません。
なお、試用期間もありません。そのため、年払いの場合は、契約月から利用料金が発生する形になり、極端な例ですが、1月31日に申し込んでも 1月分から料金が発生します。そのため、できるだけ月初に契約するのがベターでしょう。(月額払いの場合は、利用開始月は日割りになります)
その他
- PostgreSQL 利用不可
- SSH・Cron 利用不可
- 独自SSL が利用できるドメインは 1つのみ
- WordPress の簡単インストールは他社より手間がかかる
WebARENA のメリット・デメリットまとめ
デメリット
- マルチドメイン・データベース数が少ない
- PHP など各種機能は古め
- 月払いだと高上り
こんな人にはおススメできません
- サイト量産をしたい人
- 常に最先端の技術が導入されているサーバーを使いたい人
- 月払いでできるだけ安く利用したい人
メリット
- 大手 NTT の信頼性と高い安定性・品質保証(SLA)
- 高いセキュリティと安全性
- 値段に比して大容量のディスクスペース(ストレージ)
こんな人におススメです
- 業界大手で安定性の高いサーバーを利用したい人
- 少数のサイトを安定して運用したい人
- 大容量のディスクをストレージとしても使いたい人
WebARENA の検証・評価レビューのまとめ
法人向けながら、その価格の安さと安定性の高さが魅力の WebARENA SuiteX スタンダードプラン。
この価格で 300GBのディスク容量と無制限の転送量、1サーバー 50契約と非常に少ない収容人数を実現できているレンタルサーバーは他にありません。さすがの大手 NTT の看板を背負っているだけあり、名ばかりの高稼働率や SLA ではなく、当サイトによる調査でも、実際に高い安定性を持っていることが証明されています。
ただ、初期状態ではマルチドメイン数と作成できるデータベース数が限られているため、多数のサイトを運営するにはあまり向いていません。(オプションで、データベース作成可能数を無制限にすることは可能)
しかし、作成できるサイト数が少ないゆえに、高い安定感が保証されているとも言えるため、少数精鋭のサイトを安定運用するという目的には、非常におススメできるサーバーです。