ミニバードやファイヤバード、クローバーなどの共用サーバーを提供しているネットオウルが、新たに「スターサーバー」をリリースしました。
「スターサーバー」は、既存のサービスを統合し、さらにサーバーのスペックアップや、様々な機能を追加するなど、非常に魅力的なサービスに仕上がっています。
今回はそのスターサーバーの特徴や、既存のサービスとの違い、実際の使い勝手などについて、詳しく紹介していきたいと思います。
「スターサーバー」の特徴や変更点
では、早速そのスターサーバーの特徴や、以前のサービスとの違いなどをチェックしてみましょう。
既存のサービスを統合
これまでネットオウルのサービスは、他の共用サーバーと異なり、ミニバード・ファイヤバード・クローバーなど、各サービスが別個に独立していました。
しかし、最安プランのウェブクロウから最上位プランのクローバーまで、すべてのプランを統合する形で、スターサーバーという一つのサービスを提供する形になっています。
料金プランやディスク容量に関しては、既存のサービスがそのまま移行する形になっているほか、新たに「ビジネス」プランという大規模サイト向けのサービスが提供されました。各サービスの名称はこれまでの独自路線から、ロリポップ!やさくらのレンタルサーバと同じような、スタンダードな感じに統一されています。
なお、ミニバードやクローバーなどの既存サービスは、スターサーバーのリリースと同時に新規募集を終了していますが、既存サービスを利用中のユーザーのサービスについても、機能の向上などを図っています。例えば、ミニバードなどは利用可能な MySQL の数が 3個まででしたが、5個に増えたり、無料の独自SSL も利用できるようになるなど、新サービスのスペックと同等になるよう、変更が加えられています。
最新のサーバーマシンを導入・スペックも確認可能に
スターサーバーでは、最新・最速のサーバーマシンを導入しています。また、既存サービスでは確認できなかったサーバーのスペックも、サーバー管理ツールから確認できるようになりました。
今回確認した際のスペックは以下の通りで、すべてのプランで共通でした。
- CPU:Xeon E5-2640V4 ×2(2.4GHz)
- メモリ:96GB
このスペックは、エックスサーバーの上位サービスである、sixcore と同一ですので、十分高いスペックですね。また、CPU は仮想化されていますので、他の同居ユーザーの影響も受けにくくなっています。
なお、転送量の目安は以下の通りです。
- エコノミープラン:50GB/月(約1.7GB/日)
- ライトプラン:150GB/月(約5GB/日)
- スタンダードプラン:300GB/月(約10GB/日)
- プレミアムプラン:1,000GB/月(約33GB/日)
- ビジネスプラン:2,000GB/月 (約66GB/日)
無料の独自SSL「Let’s Encrypt」が使える
さらに、スターサーバーでは、無料の独自SSL「Let’s Encrypt」が導入されました。
これまでネットオウルのサーバーサービスでは、Let’s Encrypt が利用できませんでしたが、ワンクリックで無料のSSL証明書が利用できるようになっています。もちろん、90日ごとの更新も自動で、期限切れの心配もいりません。
Let’s Encrypt は最安のエントリープランを含めた、すべてのプランで利用可能です。また、従来通り、ネットオウルの証明書取得サービス『SSLボックス』で取得した、有料のオプション独自SSLの利用も可能です(ライトプラン以上)。
プラン変更・リソースの拡張が柔軟に行えるように
ミニバード、ファイヤバードなど、これまでネットオウルのサービスはそれぞれ独立しており、他のプランへの移行ができませんでした。そのため、サイトアクセスが増えてきた場合は、サーバーの引越しが必要になっていました。
一方、スターサーバーではプラン変更が可能になり、またその変更も即時反映が可能なため、急なアクセス増に対してもリソースの拡張が簡単に行えるようになっています。(上位プランのみへ変更可)
プランの即時変更が可能な共用サーバーは、現時点ではあまり多くなく、mixhost やロリポップ!くらいなので、これはユーザーにとっては大きなメリットですね。
サーバー管理ツールなどの使用感は今まで通り
サーバーの管理ツールなどの使い勝手に関しては、従来とほとんど変わりがありません。これまでは、サービスごとに管理画面のデザインが異なっていましたが、それもスターサーバーでは統一されています。利用可能な機能や設定項目名なども、ほぼ同じなので操作に迷うこともありません。
ちなみに、ネットオウルはエックスサーバー株式会社と業務提携していますが、この設定項目名もエックスサーバーと共通なものが多い(特徴的なものを挙げると「SMTP認証の国外アクセス制限設定」「移転前動作確認URL」など)ので、エックスサーバーを使ったことがある人ならかなり使いやすいですね。
まとめ
以上、スターサーバーのリリースに関して、新たに追加された機能やサービス、旧来のサービスとの違いなどについて見てみました。
従来のサービスと使用感が同じでありながら、独自SSL の利用やプラン変更も可能になるなど、これまでネットオウルのサービスでできなかった様々なことができるようになりました。また、サーバースペックもアップしたうえ、CPU が仮想化されていますので、他のユーザーの影響を受けにくいといったメリットもあり、魅力的なサーバーに生まれ変わったと言っていいでしょう。
個人的には、従来の特徴的なPOPなデザインや名称などが排除されたのは残念な気がしますが、大人気サーバーであるロリポップ!も、以前のようなキッチュなイメージを完全に払しょくして、スマートなイメージチェンジしていますので、共用サーバーを利用するユーザー層が変わっているなど、時代の趨勢のようなものがあるのでしょう。
なお、スターサーバーの実際のパフォーマンスなど、その実力については現在検証して確認中です。次回、その検証結果の詳細をお知らせしたいと思います。(「「スターサーバー」のパフォーマンスを旧プラン(ミニバード~クローバー)と徹底検証比較!」で検証結果を公開しました)