エックスサーバーが、2016年8月6日以降に新規受け付けしたサーバーについて、サーバーの基盤を刷新しました。
変更点としては、Webサーバーの基本となるサーバーソフトである、Apache のバージョンが最新の 2.4系 に変更される他、Perl / Ruby のバージョン、SQL のバージョンなども最新のものに変更されます。また、アクセスログの取得可能日数や生成周期、自動インストール可能なプログラムなどにも若干の変更が加えられました。
さらに、新規のユーザーだけではなく、既存ユーザーにも大きなメリットがある変更だったため、そのあたりの詳細をカスタマーサポートに確認し、まとめてみました。
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既存ユーザーも新サーバーに移行できる
注目したいのは、すでにエックスサーバーを利用しているユーザーも無償で最新のサーバーに移行できるという点です。
エックスサーバーのからのお知らせには、以下のように書かれています。
(既存のサーバーを)ご利用のお客様におきましても、ご希望に応じて無償で簡単に新仕様のサーバーへ移行できるよう
新サーバーへの移行機能の提供を予定しております。
今後簡単に最新のサーバー環境に移行できるようなシステムも用意する予定とのことですし、そしてシステム準備前でも、移行希望者には個別に相談に乗ってくれるようです。さすがエックスサーバー、なかなか手厚いですね。
詳細についてカスタマーサポートに確認してみた
さて、既存ユーザーのサーバー移行についていくつか疑問点があったので、早速カスタマーサポートに詳細を確認してみました。
以下にその概要をまとめてみます。(2016年8月17日時点の回答であり、実際に提供されるサービスとは異なる点がある可能性もあります)
・既存ユーザーが新仕様のサーバーに移行すると、サーバースペックも最新のものに変更される
・現時点ではまだ「新サーバーへの移行機能」の用意は整っていない
・「新サーバーへの移行機能」が利用できるようになったら、もっと簡単に移行できるようになる予定・現時点で新サーバーへ移行する場合、新規でサーバーを契約し、サイトのデータや DNS の設定をはじめ、すべて手動で移行する必要がある
・移行期間中は、旧サーバーと新サーバーの両方を使える状態にしてくれる(数週間~1か月程度と思われる)
・一旦移行を試して、不具合などが出た場合は、元のサーバーに戻るということも可能とする予定(手動・自動のいずれのパターンでも)
もしエックスサーバーを古くから契約していて、サーバーのスペックがあまり高くなかったり、サーバーのパフォーマンスに不満を感じるようなことがある場合は、新しいサーバーへの移行ができるのは非常にメリットが高いですね。
ただ、注意したいのは、新サーバーでは PHP や Perl などの言語関連の古いバージョンが使えなかったり、「Xoops Cube Legacy」「osCommerce 日本語版」「Zen Cart 日本語版」が動作確認ソフトウェアから外れたりなど、使い方によっては支障が出る可能性もあります。
また、共有SSL も使えなくなるようですが、こちらは 2016年6月30日から無料の独自SSL「Let’s Encrypt」が提供されているので、こちらを使ったほうがセキュリティ的にもいいと思います。
いずれにしても、移行を検討する段階で、新サーバーの詳細を十分に確認する必要がありますね。
「エックスサーバー」のサーバー基盤システム刷新まとめ
以上、現段階で確認できた情報を少しまとめてみました。
一般的にはレンタルサーバーのサーバー基盤が刷新する場合でも、新規で申し込んだユーザーのサーバーだけを変えていくか、または順次全部のサーバーを移行していくかの 2択が多いのですが、今回エックスサーバーはユーザーの希望に応じてくれるようです。
また、レンタルサーバーの既存ユーザーがサーバースペックの増強を望んだり、他のユーザーの影響でサーバーのパフォーマンスが落ちるのを回避するためにサーバーを移動したいとしても、通常別サーバーへの移動は許されることはありません。
そういう意味では、今回のエックスサーバーのサーバー環境の刷新は、新規ユーザーのみではなく、既存ユーザーにとってもスペックの高いサーバーに移行できる良いチャンスだと思います。
確かに使用しているプログラムなどによっては新サーバーで運用できないこともあるとは思いますが、ユーザー側にこれだけ柔軟な対応をしてくれるレンタルサーバーはほとんどありません。「レンタルサーバー各社で利用可能な PHP のバージョン比較」でもふれたように、PHP などの言語のバージョンも 1~2程度しか使えないのが普通です。
こういった点が、当サイトでエックスサーバーをイチオシする大きな理由の一つでもあります。
いずれにしても、現時点では手動での移行が必要なようなので、簡単にサーバーを移行できるシステムが完成するのを待つのがベターでしょう。また、このあたりの詳細がわかったら追記などでもお知らせしたいと思います。