スターサーバーが仮想CPUコア数を増強!はたしてパフォーマンスは向上したか?

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ネットオウル株式会社のスターサーバーがリリースして約1か月後、2017年9月6日にスターサーバーの「ライト~ビジネス」のプランにおいて、仮想CPUコア数が増強されました。

スターサーバーのリリース時にもパフォーマンスを検証しましたが、その際は残念ながら、ミニバードやクローバーなど、ネットオウルの旧プランと比較しても、表示速度がかなり低下してしまうという結果が出てしまいました。

今回はリリースから1か月弱でのアップデートということで、リリース直後のパフォーマンスは当然ながら、旧プランを超えるパフォーマンスの向上が期待されます。

では、このCPUコア数増強によって、実際にどのくらいパフォーマンスに変化があったのか、各種ツールによる検証データをもとに、チェックしてみたいと思います。

「スターサーバー」のパフォーマンスを旧プラン(ミニバード~クローバー)と徹底検証比較!
スターサーバーの検証・評価レビュー

目次

スターサーバー仮想CPUコア数アップの詳細

実際のパフォーマンスを見る前に、今回の変更点を軽く見ていきましょう。

今回変更が行われたのは、以下のようにライト以上のプランの仮想CPUコア数で、最安のエコノミープランに関しては変更がありません。

  • ライト   :1コア → 2コア
  • スタンダード:2コア → 3コア
  • プレミアム :3コア → 4コア
  • ビジネス  :4コア → 5コア

上のように、各プランで1コアずつ増強されています。ライトプランではコア数が2倍になっていますね。

一般の共用サーバーの場合、一つのサーバーのCPUを多数のユーザーが同時に使用するため、他のユーザーの影響を受けやすく、他のユーザーがアクセスの多いサイトを持っていた場合、自分のサイトの処理速度も遅くなりがちです。

しかし、スターサーバーのCPUは仮想化されており、ユーザーごとに占有に近い形でコアを利用できるため、一般的な共用サーバーよりも安定した稼働が期待できます。

これはクラウドの技術によるもので、mixhost なども同じ形で運用をしていますが、この形式のレンタルサーバーは今後どんどん増えていくでしょう。

仮想CPUコア数アップ前後のパフォーマンスをチェック

では、早速スターサーバーのリリース直後と今回の仮想CPUコア数アップ後のパフォーマンスをツールでチェックし、どのくらい変化があったかを比較していきます。

今回もチェック内容は、ネットビジネス向けのサーバーにとって最も重要な「安定性」「表示速度」の 2点です。

まずは、Webサーバーの安定性のデータから見ていきましょう。

Webサーバーの安定性

Webサーバーが安定してサイトを表示しているかをチェックするために、サーバーの死活監視を行える montis というサービスで、HTTP リクエスト(Webサイトの表示をするためにブラウザとサーバー間で行うやりとり)のモニタリングをしました。

1分毎のリクエストを 7日間実施して取得したデータの中から、「最速の応答速度」「平均応答速度」「応答なしの回数」の 3つをそれぞれ比較してみます。

「最速の応答速度」と「平均応答速度」は、リクエストに対して Webサーバーから応答が返ってくるまでの速度のことで、ともに単位は「ミリ秒」、数値が低いほうが速く応答を返せているのでよいサーバーということになります。

「応答なしの回数」は、リクエストに対して応答が返らなかったり、応答が遅くなったためにタイムアウト扱いになってしまったものの回数で、回数がゼロに近いほど安定していることを意味しています。

また、「差分」の値は、マイナスの分だけパフォーマンスが向上していることを表します。

なお、エコノミープランはいずれの結果も非常によい数値が出ていますが、エコノミープランではデータベースが使えないため、 HTML サイトになっていることがその理由です。(HTMLサイトはCMSやデータベースが絡まない分だけ高速)そのため、エコノミープランに関しては、他のプランと単純に比較はせず、あくまで参考としてください。

最速の応答速度

リリース時コア数UP後差分
エコノミー25261
ライト12388-35
スタンダード11489-25
プレミアム12188-33
ビジネス11592-23

平均応答速度

リリース時コア数UP後差分
エコノミー3634-2
ライト242163-79
スタンダード242159-83
プレミアム381160-221
ビジネス257157-100

応答なしの回数

リリース時コア数UP後差分
エコノミー000
ライト40-4
スタンダード000
プレミアム20-2
ビジネス000

最速の応答速度、平均応答速度、応答状況、ほぼすべての値に関して、劇的に向上しています。応答速度が非常に上がっているのも重要ですが、「応答なしの回数」がすべてのプランにおいてゼロになっているのは、とても素晴らしいですね。

一般的に安いプランになると、より安定性に欠けることが多いのですが、データベースを使用している「ライト」プランでも応答なしがゼロになっています。仮想CPUの形だけではなく、さらにコア数をアップしたことで、よい結果が出るようになったのでしょう。

WordPress サイトによる表示速度

次に、WordPress で作成した Webサイトの表示速度を見てみましょう。

サイトの表示速度の測定は、サイト速度のパフォーマンスを確認できる GTmetrix にて行っています。

測定サイトの条件

  • WordPress でサイトを作成
  • 測定用の WordPressサイトの内容は、約3,000文字+画像1枚
  • PHP5.6 と PHP7.0 の2つを切り替えて表示速度を測定、その平均速度を確認
  • 平日の9:00~24:00 の間で、2~3時間おきに合計 7回実施

上の条件で計測した結果を、PHP のバージョンごとにまとめました。

表の数値はサイトの表示に要した速度で、単位は「秒」、間の「差分」は速度差です。(マイナスの分だけ、コア数アップ後が速くなっていることを意味します)

なお、上記と同様にエントリープランのみ HTMLサイトのため、参考にとどめてください。(HTMLサイトは PHP は使用していないため、バージョンによる比較もなし)

PHP 5.6

PHP5.6リリース時コア数UP後差分
エコノミー2.41.5-0.9
ライト4.01.6-2.4
スタンダード4.41.7-2.7
プレミアム3.81.5-2.3
ビジネス3.91.7-2.2

PHP 7.0

PHP7.0リリース時コア数UP後差分
PHP7.0リリース時コア数UP後差分
ライト4.21.5-2.7
スタンダード3.61.5-2.1
プレミアム4.01.4-2.6
ビジネス3.61.4-2.2

こちらもすべてのプランにおいて、表示速度がかなりアップしています。PHP のバージョンに関わらず、平均2.4秒の速度アップが見られていますので、体感的にもかなりの違いがみられるレベルです。

最後に、ネットオウルの旧プラン(ミニバード、ファイアバード、クローバー)とも、表示速度を比較してみましょう。わかりやすくするために、「ミニバード~クローバー」に相当する、「ライト~プレミアム」トータルの平均表示速度を比較します。

旧プランとの比較(平均表示速度)

PHP5.6PHP7.0
旧プラン2.52.3
リリース時4.03.9
コア数UP後1.61.5

以上のように、リリース当時の速度よりもアップしているのは当然として、旧プランをも超える速度までパフォーマンスがアップしたことがわかります。

これでようやく、スターサーバーは旧プランを超えるサーバーだと言えるようになりましたね。

まとめ

以上、スターサーバーの仮想CPUコア数アップに伴う、パフォーマンスの結果を見てみました。

サーバーの安定性や応答速度とともに、表示速度も大幅にアップする結果が出ました。その検証結果をベンチマークランキングに当てはめると、安定性も表示速度もトップレベルに躍り出ています。

【最新版】レンタルサーバーのベンチマーク総合評価ランキング(随時更新)

前回のリリース当初の調査では、旧プラン(ミニバード、ファイアバード、クローバー)よりも表示速度がかなり遅くなるという結果に、正直微妙なものを感じていました。

スターサーバーのサポートにも、以前よりパフォーマンスが落ちている件について確認しましたが、一応会社側ではパフォーマンスが上がるように調整後にリリースはしているとのことでした。

しかし、やはり他のユーザーからも同じような声があったのか、会社側で確認した結果改善が必要と判断したのかわかりませんが、リリース直後にも関わらずCPUのコア数アップを断行してくれたおかげで、本来想定していたフォーマンスを持ったレンタルサーバーに生まれ変わることができました。

元々ネットオウルのサーバーはコストパフォーマンスが高く、また旧プランにおける使いやすさもキッチリ引き継がれています。そして、今回のアップデートで安定性や表示速度もぐんと向上し、他社との比較でもトップレベルになりましたので、ビジネス向けのレンタルサーバーとして、十分おススメできるレンタルサーバーになりました。

スターサーバーの検証・評価レビュー

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