2018年5月に、クラウド型レンタルサーバーである mixhost(ミックスホスト)が、ディスク容量と CPU などのサーバースペックを大幅にアップしました。mixhost は、サービス提供以降も頻繁にサーバースペックの向上を行っていますが、今回が過去最大のスペックアップです。
今回スペックアップを行ったのは、ディスク容量、CPU、メモリ、転送量の 4つで、当サイトであらためて行った安定性と WordPress の表示速度の測定結果でも、実際にかなりの性能向上が見られました。
ここでは、今回 mixhost が行ったスペックアップの詳細と、新しいサーバー環境と今年 3月に行った検証結果のデータの比較を詳しく解説していきます。(検証の結果だけを見たい人は、こちらをクリックしてください)
mixhost のスペック変更点
まず、今回変更が行われた各スペックの詳細を見てみましょう。
プラン | ディスク容量 (SSD) | CPU | メモリ | 転送量 |
---|---|---|---|---|
スタンダード | 40GB ⇒50GB | 仮想2コア ⇒3コア | 1GB ⇒2GB | 1TB/月 ⇒2TB/月 |
プレミアム | 60GB ⇒80GB | 仮想コ3ア ⇒4コア | 2GB ⇒4GB | 1.5TB/月 ⇒4TB/月 |
ビジネス | 80GB ⇒120GB | 仮想4コア ⇒6コア | 4GB ⇒8GB | 2TB/月 ⇒5TB/月 |
ビジネスプラス | 120GB ⇒160GB | 仮想6コア ⇒8コア | 8GB ⇒16GB | 3TB/月 ⇒6TB/月 |
エンタープライズ | 160GB ⇒200GB | 仮想8コア ⇒10コア | 16GB ⇒32GB | 4TB/月 ⇒7TB/月 |
以上のように、全プランにおいてディスク容量から転送量まで増えていますが、CPU とメモリは直接サーバーの動作に影響があるものなので、今回のスペックアップによって、さらなる処理の高速化と安定化が期待できます。
また、転送量はサイトのデータを閲覧者へ送り出すデータの上限にあたるもので、自分のサイトを見に来る人が急増したときに、送出する総データ量がこの上限に達してしまうと、サイトが表示されなくなることになります。この転送量が増えることで、より多くのアクセスに耐えることができることになりますので、アクセスの多いサイトを持っている人にとっては、心強いですね。
ディスク容量に関しては、すでに利用に支障がないレベルの容量がありましたが、他社と比較するとまだ少なめでしたので、これもうれしいです。特に、mixhost は、サーバーをデータ置き場として利用できる「WebDisk(WebDAV)」機能を利用できるので、ディスク容量が増えればそれだけ保存できるファイルの容量も増えます。
・mixhostのWebDisk(WebDAV)設定の全手順を解説
今回実施した測定条件の詳細
では、早速 CPU やメモリ増強後のパフォーマンス結果を見ていきたいと思いますが、まずは測定した条件を挙げておきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
利用プラン名 | スタンダードプラン |
WordPress のバージョン | ver.4.9.5 (以前のデータは 4.9.4) |
WordPress のテーマ | Twenty Seventeen |
WordPress プラグイン | WP Multibyte Patch / Akismet / Hello Dolly |
コンテンツ内容 | WPテーマユニットテスト (すべてのコンテンツをトップページに表示した状態) |
測定ツール | monitis 測定元サーバー(東京) |
測定期間 | 7日間 |
測定内容 (安定性) | httpリクエストへの応答状況 (60秒毎にリクエスト実施/10秒でタイムアウト)) |
測定内容 (表示速度) | WordPress サイトの表示速度 (20分ごとに計測を実施) |
今回検証したスペックアップ後の測定データと、今年3月に行った一斉調査時の測定結果を比較します。
唯一、WordPress のバージョンが異なりますが、マイナーアップデートですし、パフォーマンスへの影響はないと考えています。また、プラグインに関しては、WordPress をインストールした際に導入済みのもので、それ以上の意味はありません。
コンテンツは、WPテーマユニットテストというデータを利用しています。テキストもほどほどの量があるほか、画像や Youtube なども貼り付けられているため、実際のブログなどに近いデータ量になっています。
安定性も応答速度もアップ
まず、Webサーバーの応答速度(httpリクエスト)について見てみましょう。
「応答なし回数」は、Webサーバーから応答が返らなかったり、大幅に遅延したりしたケースの回数で、回数が少ないほうが安定しています。
また、「平均応答速度」「最速」「最遅」は、Webサーバーから応答が返ってくるまでの速度で、数値が小さいほど応答が速いため、安定性も高いことを意味しています。(単位はすべて「ミリ秒」)
応答なし回数 | 平均応答速度 | 最速 | 最遅 | |
---|---|---|---|---|
旧環境 | 1 | 170.1 | 133.0 | 1170.0 |
新環境 | 0 | 172.0 | 113.0 | 650.0 |
差分 | +1 | -1.9 | +20.0 | +520.0 |
まず、「応答なし回数」が、前回の 1回からゼロになっています。これは、誤差の範囲と言えますが、完全に応答が返ってきたということで、もちろんよい結果だと言えます。
平均応答速度に関しては、2ミリ秒ほど遅くなっていますが、最も応答が遅かった時の速度が半分くらいになっていますので、トータルではブレが少なくなっている分、改善していると言えます。なにせ、もともと Webサーバーの応答速度に関しては、mixhost がダントツに速いので、もともと十分な結果でしょう。
WordPress の表示速度も大幅にアップ!
続けて、WordPress を使用したサイトの表示速度にどれくらい影響があったのかを確認してみます。
WordPress は、データベースを使用した CMS(コンテンツマネジメントシステム)で、サイトへのアクセスがあるたびに、サイトのデータを構築して送り出すシステムになっているため、CPU やメモリなど増加による処理速度の向上は、サイトの表示速度にも直接影響があると考えられます。
平均表示時間 | 最速 | 最遅 | |
---|---|---|---|
旧環境 | 2.14 | 1.20 | 30.02 |
新環境 | 1.92 | 1.09 | 10.09 |
差分 | +0.22 | +0.11 | +19.93 |
※単位は「s」(秒)
こちらはすべてのデータで速度の向上が見られました。WordPress の表示速度においても、mixhost は上位に入るレベルなのですが、そこでの 0.22秒の速度アップはかなりよい結果と言えます。
また、前回一番遅かった時は 30秒を超えていたのですが、今回はそれが約 10秒にまで縮まっていますので、全体的にブレが小さくなっていることがわかります。これだけでも十分よい傾向ですね。
まとめ
以上のように、今回の大幅スペックアップにより、mixhost の安定性と WordPressサイトの表示速度はさらに向上しました。
mixhost は、他のサーバーでは未導入の高速サーバー”Litespeed” や Webサイトの表示速度を高速化する新プロトコル(通信方法を定めた決まり事)QUIC など、新しい技術をどこよりも早く取り入れるなど、高速化には非常に力を入れています。
また、今回のように定期的にサーバーのスペックアップも実施しており、前述したサーバーをファイル置場として使える「WebDisk」といった機能も非常に豊富なサーバーです。
もし、まだ mixhost を利用したことがなければ、10日間のお試し期間もありますので、これを機会に魅力的な機能が豊富で、サーバーの実力も高い mixhost を利用してみてください。