2016年8月29日に、お名前.comレンタルサーバーがサブドメイン(マスタードメイン)の提供を開始しました。
また、共用サーバーに対して WAF(Webアプリケーションファイアウォール)も、2016年6月15日に提供を開始していました。
特に公式サイトのニュース一覧などにも掲載されていませんでしたので、すぐには気づかなかったのですが、地道に機能の強化を図っているようです。
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サブドメインの提供開始によるメリット
これまで お名前.comレンタルサーバーでは、サブドメインの利用はできなかったため、独自ドメインの取得が必須でした。
サーバーの申し込み時に、別途他社で独自ドメインを用意するか、サーバー契約と同時に初年度無料の独自ドメインを取得するかのいずれかの選択肢しかありませんでした。
お名前.comレンタルサーバーは、格安ドメイン取得でメジャーな会社である「お名前.com」が提供するサーバーのため、独自ドメインも初年度無料で取得ができました。提供元としては、無料で取得した独自ドメインの継続利用による収入を狙う戦略ですね。
しかし、今後は独自ドメインを取得しなくても、お名前.comレンタルサーバーのサブドメイン(「マスタードメイン」とも呼ばれている様子)を取得することで、サーバーを運用することができるようになります。
詳細についてカスタマーサポートに確認してみた
今回新規に取得できるようになった お名前.comレンタルサーバーのサブドメイン(マスタードメイン)は「onamae.jp」というドメインです。
このドメインの概要や利用方法の詳細について公式サイトを探したのですが、ほとんど情報が見当たらなかったので、サポートに確認してみました。
以下が確認できた内容です。
- お名前.comレンタルサーバーの新規申し込み時に、サブドメイン(onamae.jp)も申し込み可能(必ずしも独自ドメインを取得する必要はなくなった)
- サブドメインは無制限に取得可能
以上のように、独自ドメインを取得する必要がないことや、サブドメインも無制限に取得することができるのであれば、メリットは大きいですね。
なぜなら、お名前.comレンタルサーバーで独自ドメインを取得した場合、「Whois情報公開代行」を行っていないこと、公開代行をするためには「お名前.com」への移管等の手続をサポートに依頼して行う必要があるため、他社よりもこのあたりのメリットは大きいといえます。(このあたりの詳細は、「無料といってもこんなに違う!レンタルサーバーの独自ドメイン無料サービス比較」を参照してください)
もちろん、別の会社で取得した独自ドメインを運用する分にはこれらの問題はありません。
WAFの提供も開始
また、冒頭でふれたように、お名前.comレンタルサーバーでは、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)の提供も開始していました。
WAF は、Web サイトを対象にした外部からの不正アクセスをブロックする機能で、保護される対象は Web データです。
静的なコンテンツ(html、画像、css)には効果がありませんが、PHP や CGI を利用したサイトの場合には有効で、WordPress などの CMS を使用する場合には、非常に効果的です。
これまで お名前.comレンタルサーバーにはユーザーレベルのセキュリティ対策がほとんどなかったので、これは大きな前進でしょう。
なお、「WAF(Webアプリケーションファイアウォール)はサイトの表示速度に影響があるか?」の検証記事にも、お名前.comレンタルサーバーの結果を追記しておきました。
お名前.comサーバーがサブドメイン(onamae.jp)とWAFの提供を開始まとめ
以上、お名前.comレンタルサーバーの新機能の情報をまとめてみました。
お名前.comレンタルサーバーのサブドメイン(マスタードメイン)については、独自ドメインの売り上げが減ることにつながる可能性があるため、会社側としてはそれほど積極的に売り込みたいサービスではないかもしれません。
ただ、WAF はユーザーにとってだけではなく、提供元にとっても非常にメリットの大きいサービスのため、リリース情報などで流してもいいのではないかと思います。
とりあえず、どちらも少なくともユーザーにとってはメリットのあるサービスのため、お名前.com レンタルサーバーの利用を検討している人や利用中の人は、どんどん活用しましょう。
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