Premiere Proの購入を検討している方で、「Premiere Elements」という動画編集ソフトの名前を聞いたことがある方も多いと思います。Premiere ProもPremiere Elementsも同じAdobeのソフトですが、特徴やターゲット層がかなり異なります。
自分に合った動画を作るためには、編集ソフトの違いを理解しておくことが必要不可欠です。
この記事では、Premiere ElementsとPremiere Proの違いを徹底比較しました。この記事を最後まで読むことで、自分が Premiere ProとPremiere Elementsのどちらを買うべきかがわかります。
Premiere ElementsとPremiere Proの特徴の違い
Premiere ProとPremiere Elementsでは下記のような特徴の違いがあります。
- 初心者向け
- 手軽で使いやすい
- プロ向け
- 複雑で本格的な動画制作が可能
それぞれターゲット層が違うので注意が必要です。
初心者向けかプロ向けか
Premiere Elementsは初心者向け、Premiere Proはプロ向けです。Premiere Elementsはある程度決められたテンプレートやエフェクトなどを使い編集を行います。本格的な動画作成をしたい方には物足りないと感じることがあるかもしれません。
Premiere Proは細かい機能がたくさんついており、作れない動画はないと言えるほどです。そのほか、Adobeが提供しているサービスとの連携もしやすくなっています。
手軽さ・使いやすさか本格的か
- Premiere Elements➜手軽で使いやすい
- Premiere Pro➜複雑で本格的な動画制作が可能
Premiere Elementsはある程度決められたテンプレートやエフェクトのなかで作業をするため直感的で非常に使いやすいです。Premiere Proは本格的な動画作成を行うことができ、映画など制作にも使われるほどです。
Premiere ProとPremiere Elementsの価格の違いを年間コストと月間コストの2つの視点からまとめました。
年間コスト | 月間コスト | |
---|---|---|
Premiere Elements | 19,580円 | 1,631円 |
Premiere Pro | 28,776円 | 2,728円 |
Premiere ProとPremiere Elementsの価格の違いを年間コストと月間コストの2つの視点からまとめました。使用期間によって価格がかなり異なるので、注意が必要です。
Adobe Premiere Elements(プレミアエレメンツ)の月間・年間コスト
年間コスト(パッケージ価格) | 19,580円 |
月額コスト( パッケージ価格➗12) | 1,631円 |
Adobe Premiere Elementsは買い切りです。もし、Premiere Elementsを1年間使うとすると年間コストは19,580円、 月額コストは 1,631円になります。もちろん、1年以上使う方にとってはそれ以上の価値があります。
Adobe Premiere Pro(プレミアプロ)の月間・年間コスト
年間コスト | 28,776円 |
月額コスト | 2,728円 |
Adobe Premiere Proはサブスクです。もちろん、サブスクなので使用し続けている期間はコストがかかります。
Premiere Elementsと比較すると、1年間で6,580円、2年間で32,740円の差がうまれます。
Premiere ElementsとPremiere Proの機能の違い
Premiere ElementsとPremiere Proには、下記のような違いがあります。
Premiere Pro | Premiere Elements | |
---|---|---|
編集画面の違い | 本格的 | シンプル |
購入形式 | サブスク | 買い切り |
アップデート | 〇 | ✖ |
Dynamic Link | 〇 | ✖ |
GPUエンコード | 〇 | ✖ |
クイック編集 | ✖ | 〇 |
ガイド付き編集 | ✖ | 〇 |
自動編集 | ✖ | 〇 |
機能の違いといっても、作業効率の違いもあればソフトのデザインの違いもあります。自分に合った機能を持ったソフトを購入するために、しっかりと目を通しておきましょう。
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編集画面の違い
編集画面はPremiere ElementsとPremiere Proではかなり違います。編集画面のわかりやすさは初心者の方にとって購入の判断材料にもなります。
Premiere Elementsの編集画面
「映像プレビュー」「タイムライン」が大きく表示されており、その横に「テキスト、エフェクト追加画面」があります
Premiere Proの編集画面
やや画面に表示されているものが増えた印象がありますが、「映像プレビュー」「タイムライン」が大きく表示されている点はPremiere Elementsと変わりません。しかし、現在表示されている画面はPremiere Proで表示できる画面の一部にすぎず、実際はもっと複雑です。
また、Premiere Elementsと比べてかなりたくさんのボタンが表示されてあります。それぞれのボタンに名称がついているわではないので、最初は混乱する方もいるかと思います。
編集画面の違いだけを見ると、Premiere Elementsの方がかなり扱いやすいレイアウトになっていることがわかります。
サブスク型か買い切り型か
- Premiere Elements➜買い切り
- Premiere Pro➜サブスク
2つのソフトはそれぞれ購入方法が異なります。PremiereProがサブスクであるのに対して、Premiere Elementsは買い切りです。それでは、サブスクと買い切りそれぞれのメリットとデメリットを比較していきましょう。
メリット
- 初期費用が安い
- 自分に合ってないと感じたらすぐ解約できる
デメリット
- 毎年または毎月決まった支払い額が発生する。
- 手元に残らない
- 利用していなくても支払いが発生する
メリット
- 一度の購入で支払いが済む
- 手元に商品が残るためいつでも利用できる
デメリット
- 初期費用が高い
- 購入後すぐ使わなくなった場合、損をする
多くのサブスクサービスは、 購入後使いづらいと感じたらすぐ解約ができるという利点があげられます。そのため、お得に感じることがよくありますが、Adobeの場合は少し注意が必要です。
Premiere Proの購入プランは年間プラン(月々払い)、年間プラン(一括払い)、月々プランの3つがあります。 年間プラン(月々払い) は解約した場合、残りの契約期間の料金の50%が一括払いで請求されます。また、月々プランは年間プラン(月々払い) と比較して、毎月支払う金が2倍ほど高いです。
つまり、 Premiere Proの年間プラン(月々払い)、月々プランのどちらを購入しても、「 自分に合ってないと感じたらすぐ解約できる 」というメリットはあまり感じられません。
Premiere Proの購入を検討している方で長期利用をあまり考えていない方や、合わなかったらすぐに解約しようと思っている方は注意が必要です。
アップデート(アップグレード)の有無
Premiere Proは、無料でソフトのアップデートをすることができます。アップデートは月単位で定期的に行われており、内容は新機能の追加や既存の機能の改善などです。
最近では、動画に収録された音声を自動で文字起こししてくれる「音声のテキスト化」という機能も追加されました。日本語を含む13言語に対応しています。
Premiere Elementsを最新版にする場合は、アップグレード版を購入する必要があります。ライセンスは新規購入するよりは安いですが、毎年アップグレードをしているとかなり高くついてしまいます。
Adobe Premiere Elementsのアップグレード版とは
価格 | |
---|---|
Premiere Elements 2023 通常版 | 19,580円 |
Premiere Elements 2023 アップグレード版 | 12,980円 |
Adobe Premiere Elementsはアップデートの代わりに毎年アップグレード版をリリースしています。アップグレード版は通常よりも6,600円安いため、継続的に利用している人にとってはややお得です。
PremiereProを1年間使用した場合の支払額は28,776 円です。毎年Premiere Elementsのアップグレード版を購入するとした際、一年間のPremiereElementsとPremiereProの支払額の差は15,796円になります。
Dynamic Link(ダイナミックリンク)の使用可否
Premiere Proにのみ「Dynamic Link」という機能がついています。Premiere Elementsには搭載されていません。
Dynamic Linkとは、Adobeが提供しているソフト間でデータを瞬時に共有できる機能です。例えば、Premiere Proで動画を制作している途中に「ここだけAfter Effectsで調整をしたい」という時に、メニューからAfterEffectsに編集している動画を同期させることができます。
Premiere Proは、長時間映像の大まかなカット編集や素材のつなぎ合わせが得意です。対して、After Effectは短時間映像に複雑な加工をする編集が得意分野です。それぞれの得意分野を活かしつつ、ソフト間の移動がスムーズに行えるのがDynamic Linkのメリットです。
動画編集でモーショングラフィックを活用したい方は、Premiere Proの購入はもちろん、Adobe コンプリートプランの購入も検討してみてください。
GPUエンコード機能の有無
エンコードとは、編集が完了した動画を最終的に1本の動画として保存する書き出し作業のことです。エンコードはとても重い作業なので、時間がかかります。
Premiere Proでは、グラフィックボード(GPU)にエンコードの処理をさせることが可能なため、通常時の半分ぐらいの時間でエンコードすることが可能です。
PremiereElementsにはGPUエンコード機能はついていません。容量が大きい動画を作成したい人は時間短縮のためにPremiere Proを使うとよいでしょう。
クイック編集の有無
クイック編集とは、編集画面を簡略化し、初心者の方でも簡単に動画編集を行うことができる機能です。クイック編集はPremiere Elementsにのみ搭載されており、PremiereProでは使うことができません。
クイック編集の編集画面は直感的で扱いやすく、最低限必要な機能がわかりやすく編集画面に収まっています。
ガイド付き編集の有無
Premiere Elementsには、ガイド付き編集というチュートリアルで実際に操作をしながら動画編集に慣れていくという機能があります。
ガイド付き編集では、特定の編集作業を実行するための一連の手順を順番にガイドします。ガイドは編集画面に組み込まれて表示されるため、非常に見やすいです。
ガイド付き編集は、下記の 4 つのカテゴリーに分類されます。
- 基本
- ビデオの調整
- オーディオの調整
- オーディオの調整
どのカテゴリーも非常にボリュームがあり、すべてをマスターした頃には動編集で必要なスキルはほぼすべて手に入るでしょう。
Premiere Proにも似たような機能として「学習」という機能がありますが、初心者の方にはPremiere Elementsのガイド付き編集で十分と言えます。
自動編集の有無
Premiere Elementsでは、Adobe SenseiというAIの技術を用いて、自動編集を行うことが可能です。Premiere Proには搭載されていません。
自動編集では、テーマを選択すれば自動的に動画の内容に合わせた音楽、タイトル、エフェクトなどを追加し、動画を生成してくれます。
実際に、インスタントムービーやスライドショーを作ることができ、完成した後、テーマや音楽などを変更することも可能です。
Adobe Premiere Elements(プレミアエレメンツ)がおすすめな人
ここまで読んでいただけると「Premiere Proは扱いづらいけど、細かい編集ができる」「Premiere Elementsは簡単に動画が作成できるがプロには物足りない」ということがわかったと思います。
次は、どのような方がPremiere Elementsを使うべきか、下記の観点から見ていきましょう。
- 凝った編集よりも手軽さ・使いやすさを求める人
- 買い切り版の動画編集ソフトが欲しい人
- 動画編集ソフトの勉強が嫌な人
凝った編集よりも手軽さ・使いやすさを求める人
Premiere Proは作れない動画はないというほど高性能な機能を搭載しています。しかし、初心者の方にとっては扱いづらかったり、オーバースペックで高価だったりとマイナス面もあります。
Premiere Elementsでも十分な編集機能は備わっているので、最初からPremiere Proは買わなくてもよいでしょう。
凝った編集をする予定がない方にはPremiere Elementsがおすすめです。
買い切り版の動画編集ソフトが欲しい人
買い切りの動画編集ソフトが欲しいという方にはPremiere Elementsを強くおすすめします。買い切りソフトは手元に残るので、数年ぶりに動画編集をすることになった場合でも新たに何かを購入したり契約する必要がなくなります。
Premiere Proは年間 26,160円、10年間使うと261,600円もします。その10年間、動画編集の内容がカットと簡単なテロップ入れのみだった場合、大損することになります。
簡単な動画編集を長い期間行う予定の方は、買い切り型であるPremiere Elementsがおすすめです。
動画編集ソフトの勉強をやりたくない人
Premiere Proは1週間ですべてをマスターできるような簡単なソフトではありません。高度な動画を製作しようと思えば、習得するまでにかなりの時間が必要です。
また、動画を編集をしていると、思い通りの編集ができず、ブラウザでわからないことを調べながら編集画面とブラウザを行き来することがよくあります。もちろん、何時間も調べて、結局思い通りの答えが見つからないこともあります。
動画編集に関する知識を身に着けたいという強い意思のある方以外はPremiere Elementsがおすすめです。
Adobe Premiere Pro(プレミアプロ)がおすすめな人
Premiere Proを利用するには、モチベーションのほか、PCの環境も重要になってきます。
- 本格的な動画編集をやっていきたい人
- 新しい機能やアップデートで長い期間動画編集をやっていきたい人
- 動画編集ソフトの勉強が苦にならない人
特に、動画編集ソフトの勉強に関して気にしている方はよく読んでおきましょう。
本格的な動画編集をやっていきたい人
本格的な動画編集をやっていきたい方にはPremiereProがおすすめです。しかし、本格的な動画を作りたいという気持ちだけでは少し厳しいこともあります。本格的な動画編集ができる環境も必要です。
Premiere Proを動かすのに必要最低限のシステム構成を下記に記しました。
Intel® 第 6 世代以降の CPU または AMD Ryzen™ 1000 シリーズ以降の CPU
Microsoft Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 2004 以降
8 GB の RAM
2 GB の GPU VRAM
8 GB 以上の空き容量のあるハードディスク
メディア用に追加の高速ドライブ
1,280 x 800以上の解像度
参考:Adobe公式サイト
Premiere Proを動かす最小限のスペックを用意したうえで、本格的な編集がしたい方はPremiere Proを利用しましょう。
新しい機能やアップデートで長い期間動画編集をやっていきたい人
Premiere Proのアップデートは、月単位で定期的に行われており、内容は新機能の追加や既存の機能の改善などです。
最近では、動画に収録された音声を自動で文字起こししてくれる「音声のテキスト化」という機能も追加されました。日本語を含む13言語に対応しています。
他にも、AppleのM1 Macにネイティブ対応するアップデートが行われるなどニーズに合ったアップデートが行われます。
新しい機能やアップデートを活用して快適に作業をしたい方、編集ソフトの買い替えを行わず長期利用を考えている方はPremiere Proがおすすめです。
動画編集ソフトの勉強が苦にならない人
初心者にとって動画編集ソフトの勉強は避けて通れない道です。最初は、理解できないこと、覚えることが多く、苦痛に感じることも多くあると思います。それでも、編集がしたいという覚悟のある方はPremiere Proがおすすめです。
また、作りたい動画がすでに決まっている人より動画を漠然と作りたいと思っている人の方のほうが、動画編集ソフトの勉強が苦になりやすいです。なぜなら、ゴールが明確ではないため、学習内容を自分の作りたい動画に置き換えることができず、記憶に定着しづらいです。
作りたい動画の内容は決まってないけどなんとなく動画編集をしたいと思っている方は、まずはPremiere Elementsなどの扱いやすいソフトを利用して、慣れましょう。
Adobe Premiere Rush(プレミアラッシュ)はPremiere Pro(プレミアプロ)の機能削減版
Premiere Rushは、Windows版、Android版、Mac版、iOS版とほぼすべての環境に対応した動画編集ソフトです。
編集画面もPremiere Proをかなり簡素化した作りになっておりiPadのようなパソコンより少し小さな画面でも見やすく設計してあります。
Premiere Rush単体プランは月額1,078 円で利用でき、すべての機能とコンテンツへのアクセスが可能で100GBのクラウドストレージ(10TBまでアップグレード可能)がついてきます。
Premiere Rushは書き出し3回までなら無料で使うこともできます
カット、簡単なテロップ入れ、曲入れはできるので、サブスクに抵抗がない方はPremiere Elementsだけではなく、Premiere Rushも検討してみてください。
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Premiere ElementsとPremiere Proの違いについてよくある質問
Premiere ElementsとPremiere Proの違いについてよくある質問をまとめました。
- Q.「ProとElementsに互換性はある?」
- Q.「YouTubeをはじめるならどちらがおすすめ?」
特に、YouTubeをはじめたい方は必見です。
Q.「 Premiere Proと Premiere Elementsに互換性はある?」
Premiere ProとPremiere Elementsとの間には、一部互換性があります。
- Windows 版Premiere ElementsからWindows 版Premiere Proへの移行→OK
- Windows 版Premiere ProからWindows 版Premiere Elementsへの移行→NG
- Mac版は互換性なし
つまり、Windows版Premiere Elementsで作成したプロジェクトファイルをWindows版Premiere Proで実行することができます。 Windows版Premiere Elementsをご利用している方で、さらにレベルアップを考えている方は Windows版Premiere Proへの移行もおすすめです。
Mac版はPremiere ProからPremiere Elementsへの移行、Premiere Elementsから Premiere Proへの移行のどちらも実行するできません。Mac版Premiere Elementsユーザーの方で、Premiere Proへの移行を考えている方は注意が必要です。
Q.「YouTubeをはじめるならどちらがおすすめ?」
基本的にPremiere Proがおすすめです。近年、YouTubeに動画をアップする際、動画編集で重要なってくるポイントが作業スピードと編集のクオリティーです。
Premiere Proでは簡単にできる作業が、Premiere Elementsでは複雑な作業をしないといけなかったり、期待通りの動きをしてくれなかったりします。
ただし、日々の記録を簡単に残す程度の簡単な動画を作りたい方はPremiere Elementsでも十分です。
Premiere ElementsとProの違いを知って購入しよう!
今回は、Premiere ProとPremiere Elementsの違いを徹底比較しました。
難しいことを考えず楽に動画編集をしたい方はPremiere Elements、最新の編集技術を使って本格的な動画編集をしたい方はPremiere Proがおすすめです。
また、Windowsユーザーの方で動画編集に不安がある方は、まずPremiere Elementsを利用して、慣れてきたらPremiere Proに移行するという手段もあります。
自分のPC環境もしっかり確認したうえで、自分にとって最適な動画編集ソフトを購入しましょう。
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